読書記録102(2020年35冊目) 労働法第三版 磯田進 著 岩波新書 2020/06/25
徹底的に労働者側に立ち、労働組合を結成しようとしたりすると会社がいかに嫌がらせをしてくるかを、労働委員会が出した不当労働行為命令文を実例に、労働者や労働組合の権利を語る。
昭和34年発行である。
当時は、学者も労働者や労働組合の権利を重要視し、論じていたのだ。
昭和20年代ごろの労働組合活動は、ストライキとして、女性組合員がガゾリン車の前に座り込み、行くなら、私を轢き殺して行け、と怒鳴るくらい過激だったことも本書でわかる。
労働委員会のこともよくわかります。
そして、労使紛争では、国家は中立的立場に立たなければいけない、と論じています。
国家は中立的立場に立たなければいけないというのは、労働者が資本主義国家で勝ちとった権利とも述べています。
刑法とも絡めて論じていることも特徴的です。