読書のブログ 記録代わりに

読書した本を記録代わりに感想などを含めて書いていくブログです。

読書記録 2020年3月

3月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1915
ナイス数:14

リヴァイアサン〈2〉 (岩波文庫)リヴァイアサン〈2〉 (岩波文庫)感想
第2巻目は国家政体の構想や分析に踏み込む。それは第1巻の人間の諸特性を踏まえての洞察である。 ホッブズは臣民という単語を使用しているので、「王権派」のように見えるが、イギリス国教会からは「革命派」とみられ、国教会を破門されている。 コモン・ウェルスの主権確立のためであれば、ホッブズにとって王権政治であろうが人民政治であろうがどちらでも構わないのではないか。コモン・ウェルスとの信約(社会契約)こそが全てなのであるから。
読了日:03月29日 著者:T. ホッブズ
リヴァイアサン〈1〉 (岩波文庫)リヴァイアサン〈1〉 (岩波文庫)感想
読み始めたばかりだが、ホッブズは国家を人間に似せた人工人間として構想している。 重要なことは、国家が人工として意識されていることだ。 この考えは、日本の伝統がなんとやら、と言いたがるロマン主義者には、屈辱的な思想であろう。 第一巻、読了。 コモン・ウェルスのための主権の絶対的な確立のためには、人間の様々な特徴を論じることが、とても極めて重要なようだ。 ホッブズによって人間の虚飾が剥ぎとられる。
読了日:03月29日 著者:T. ホッブズ
西洋哲学史―近代から現代へ (岩波新書)西洋哲学史―近代から現代へ (岩波新書)感想
デカルトから現代哲学までたどる哲学の歴史書である。 本書で知ったが、カントはフランス革命を静かに共感し、ヘーゲルは熱狂的に支持したのである、ということである。 だからといってカントは保守的な哲学人ではない、むしろ、最もラディカルな哲学者である。カントは「神」そのものを疑ったのだから。
読了日:03月14日 著者:熊野 純彦
フランス革命―歴史における劇薬 (岩波ジュニア新書)フランス革命―歴史における劇薬 (岩波ジュニア新書)感想
本書を読むとわかるが、重税に喘ぐ農民や民衆が王政を倒すこと、ルイ16世をギロチンで殺すことは、正義以外何者でもない。 であれば、我々、日本国民が、税金を大嘗祭という私的流用したナルヒトを殺害しようが、それもまた正義以外何者でもない。 フランスでは1793年、国王ルイ16世の処刑に始まる恐怖政治について1989年に世論は分裂されたのであるが、恐怖政治はブルジョワの暴走を止めるには歴史的必然であることが本書でわかる。
読了日:03月14日 著者:遅塚 忠躬
西洋哲学史―古代から中世へ (岩波新書)西洋哲学史―古代から中世へ (岩波新書)感想
西洋哲学の歴史を古代ギリシャからたどる哲学入門書のごとき書物です。 本書は、中世までです。 暗黒の中世と言われたその時代の哲学が、デカルトの哲学を形つくる思考を巡っていたことを説き明かしたことに私は啓蒙されました。 哲学の強大さ、を知るとても重要な書物です。 哲学を学び、思考する人々に対し、我々、日本人は、圧倒的に弱いです。その弱さを我々、日本人は学ばなければならない。
読了日:03月14日 著者:熊野 純彦
インターネットが壊した「こころ」と「言葉」 (幻冬舎ルネッサンス新書)インターネットが壊した「こころ」と「言葉」 (幻冬舎ルネッサンス新書)感想
パソコンにより短時間で作業が進んだ反面、その短時間で済む作業量が増えてしまい、精神疾患に罹患する人が増加していることを指摘している。それは、鋭い指摘ではないだろうか。 著者は、インターネットやSNSの危険性、Apple専制独裁制を批判し、オープンソースなどは、保守的な思想でしかないと批判する。 そのインターネット批判の次に増大する精神疾患について論じるが、その問題意識には、勤勉ではない人までが、過労で精神疾患となる社会についての分析を加えている。
読了日:03月01日 著者:森田 幸孝

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