読書のブログ 記録代わりに

読書した本を記録代わりに感想などを含めて書いていくブログです。

読書記録 2020年6月のまとめ 2020/07/10

6月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2928
ナイス数:17

労働争議 (講談社学術文庫 (578))労働争議 (講談社学術文庫 (578))感想
本書ほど、日本の労働組合の欠点を抉り出した本は他にはないのではないか。 日本の労働組合のストは嫌がらせのようなものであり、アメリカの労働組合が実施するストライキ100日とは異なる。
読了日:06月28日 著者:花見 忠
労働法 (1959年) (岩波新書)労働法 (1959年) (岩波新書)感想
徹底的に労働者側に立ち、労働組合を結成しようとしたりすると会社がいかに嫌がらせをしてくるかを、労働委員会が出した不当労働行為命令文を実例に、労働者や労働組合の権利を語る。 昭和34年発行である。 当時は、学者も労働者や労働組合の権利を重要視し、論じていたのだ。
読了日:06月25日 著者:磯田 進
日本社会と法 (岩波新書)日本社会と法 (岩波新書)感想
本書は「現代法の学び方」「現代日本法史」「現代日本法入門」に続く4冊目であり、その4冊すべてに、渡辺祥三氏が関わっている。 本書は市民が司法を身近にするためには、法廷傍聴を勧める。
読了日:06月21日 著者: 
日本人の法意識 (岩波新書)日本人の法意識 (岩波新書)感想
日本人は、裁判で黒白決着つける方法を好まず、「和」の精神で以て、調停を好む傾向にあることも本書で判明した。ということは「和」と「法」は対立することにならないだろうか。「和」といっても、結局は、力の弱いものが力の強いものに従わざるを得ない見かけ上の争いのない状態を「和」と言っているにすぎず、それは、抑圧の謂でしかない。 だが、現代は、セクハラやパワハラ、未払い残業代などで、民事訴訟が増えてきて、「和」という嘘に日本人はもうだまされなくなってきたようだ。「和」はもう必要がない。必要な精神は「法」である。
読了日:06月17日 著者:川島 武宜
総合英語be総合英語be感想
語学書で他国語を学ぶのは苦痛以外何物でもない。 その苦痛を通じて、せめてもの、英語でさえも身に着けたいと考え、挑戦した。 一体、読み終えるのに、どのくらいの時間がかかったのか。 また、読んでみることにする。
読了日:06月13日 著者:平賀正子,鈴木希明
蜘蛛女のキス (集英社文庫)蜘蛛女のキス (集英社文庫)感想
監獄で出会った、ゲイとテロリストの会話体の小説である。 小説作品中のテロリストであるバレンティンは、同性愛傾向はまったくないのだが、ゲイのモリータと会話をしていくうちに親近感を抱くようになる。 本書は、ゲイとテロリストというキャラクター設定をすることで、性とマルクス主義の時代的潮流を表現したのである。 ゲイにせよ、マルクス主義的テロリストにせよ、「監獄」へ閉じ込められる存在なのだ。その国家の抑圧を作品で表現していると言ってもよい。
読了日:06月07日 著者:マヌエル・プイグ
マルクス・エンゲルス全集 10マルクス・エンゲルス全集 10感想
マルクスエンゲルスがニューヨーク・デイリー・トリビュ マルクスが生活費を稼ぐため、ニューヨーク・デイ・トリビューンやピープルズ・ペーパーなどの新聞に書いたジャーナリスティックな記事がこの巻には収録されている。 マルクスが書いたそれら新聞記事が国家の本質を抉り出している。 資本論にはマルクスの国家に関する分析はないが、マルクスが書いた新聞記事にマルクスの国家分析が読める。 マルクスが新聞記事に書いた国家分析は、国家とは常に戦争状態であることを抉り出していることを見事に示し、貴重な分析である。
読了日:06月07日 著者:カール・マルクス,フリードリヒ・エンゲルス

読書メーター