読書記録133(2020年66冊目) 武器としての決断思考 瀧本哲史 著 星海社新書 2020年12月23日読了
ディベートという日本では馴染みのない議論形式を応用して、自分の人生を自分の頭と足で決めていくことを勧める本である。
ディベートとは、ある具体的な問題に対し、賛成、反対のどちらかにつき、準備を整えて議論していくルールに則った一種のテクニック・スキルのような形態の上に乗り、どちらが議論の質が高いかを審判が判定していくとても重要なリベラル・アーツである。
日本ではディベートが定着していないので、議論の作法自体、成立していないのである。何しろ、朝生がすぐれた議論の番組とされている奇妙な国が「ジャパン」である。
しかし、日本でも弁護士などの交渉事に携わる人間はディベートを身に着けているのではないだろうか。
本書は、ディベートの論理を中心に、ディベートを応用して、今までの日本の価値観である右肩上がりはなくなっている現実に立ち向かう方法を啓蒙していくのである。
もう、経済成長はないことは認め、いかに自分の器量で生きていくか、もはやそういう時代であることを本書は告げている。