読書記録96(2020年29冊目) マルクス・エンゲルス全集第10巻 大月書店 2020/06/07
マルクスが生活費を稼ぐため、ニューヨーク・デイ・トリビューンやピープルズ・ペーパーなどの新聞に書いたジャーナリスティックな記事がこの巻には収録されている。
マルクスが書いたそれら新聞記事が国家の本質を抉り出している。
イギリスのチャーチスト運動家・アーネスト・ジョーンズに接近していた時期でもある。
しかし、アーネスト・ジョーンズは、その後、ブルジョワ急進派に向かったので、マルクスとエンゲルスはアーネスト・ジョーンズと袂を分かつ。
資本論にはマルクスの国家に関する分析はないが、マルクスが生活のために書いた新聞記事にマルクスの国家分析が読める。
マルクスが新聞記事に書いた国家分析は、国家とは常に戦争状態であることを抉り出していることを見事に示し、貴重な分析である。