読書のブログ 記録代わりに

読書した本を記録代わりに感想などを含めて書いていくブログです。

2021年2月読書記録まとめ

2月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1420
ナイス数:21

人間の叡智 (文春新書 869)人間の叡智 (文春新書 869)感想
佐藤優氏は、現在、新・帝国主義の時代と捉え、我々、日本人の生き残り方を見つけていく。 基本的に反革命佐藤優氏の立場だから、ある意味、リアルに見ている。 内容は半端なく難解だが、文章は読みやすいので、2日で読めた。 難解と2日で読めた、というのは矛盾しているが、そこは佐藤優氏の文章力の凄さだ。 一気に読ませてしまう胆力の強さだ。 堪能した。
読了日:02月21日 著者:佐藤 優
外套・鼻 (岩波文庫)外套・鼻 (岩波文庫)感想
ゴーゴリーの「外套」は黒澤明の「生きる」を想起させるヒューマニズムあふれる作品である。 「鼻」はユーモラスな小品で、ロシアの圧政に苦しむ人民の「癒し」になったのではないか。 すばらしい小説を堪能できた。
読了日:02月18日 著者:ゴーゴリ
地球の洞察――多文化時代の環境哲学 (エコロジーの思想)地球の洞察――多文化時代の環境哲学 (エコロジーの思想)感想
環境倫理を地球上の伝統思想からポストモダンに分け入り、論じる書物である。 ユダヤキリスト教ヒンドゥー教ジャイナ教、仏教、老荘思想儒教、インディアンの教え、インディオポリネシア、アフリカ人らの伝統思想、ポストモダンの思想に分け入り、環境倫理を地球規模で論じる。最終章は、グローバル資本と土着民の戦いの典型的な戦いを紹介して本書は終わる。
読了日:02月14日 著者:J・ベアード・キャリコット
マルクス主義入門 (1971年) (現代教養文庫)マルクス主義入門 (1971年) (現代教養文庫)感想
入門書にしては詳細に書いてある。なんと、最初は、本書は、カッパブックスだったのだ。当時の光文社は、凄すぎる。 マルクスエンゲルスの思想から始まり、ベルンシュタイン、カウツキーを経て、レーニンスターリンへと至り、中ソ論争、アメリカのマルクス主義、イギリスのニュー・レフト、新左翼などなど、マルクス主義をほぼ概観、研究した圧倒的な書物である。 社会科学が強かったころの出版時代のモニュメントとしたい。 そして、圧倒的なのが、巻末の文献の異常な多さである。 恐るべし、水田洋。
読了日:02月07日 著者:水田 洋
田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」感想
本書は、著者の父が学者であり、その学者の父ととともにハンガリーへ同伴し、それまでの「愚行」を反省し、そして、何をしてよいのかわからない息子へマルクスを読ませた結果、息子は「天然菌」と「自然栽培」のパン屋を開くまでの試行錯誤を繰り返す本である。 マルクスを読むと、世界の視野が広がる一典型だ。マルクス自身、「小経営」を否定していない。むしろ、労働者が「生産手段」を所有し、「小経営」の所有者となることすら奨励していなくもない。 これは、一風,変わったマルクスへの誘ないの本でもある。
読了日:02月04日 著者:渡邉 格

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