読書のブログ 記録代わりに

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読書記録81(2020年14冊目)  フランス革命 歴史における劇薬 遅塚忠躬 著 岩波ジュニア新書 2020/03/14

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本書を読むとわかるが、重税に喘ぐ農民や民衆が王政を倒すこと、ルイ16世をギロチンで殺すことは、正義以外何者でもない。
であれば、我々、日本国民が、税金を大嘗祭という私的流用したナルヒトを殺害しようが、それもまた正義以外何者でもない。

フランスでは1793年、国王ルイ16世の処刑に始まる恐怖政治について1989年に世論は分裂されたのであるが、恐怖政治はブルジョワの暴走を止めるには歴史的必然であることが本書でわかる。

ロベスピエールの恐怖政治を以て、フランス革命は否定されてはいけない。そのロベスピエールもギロチンで処刑されている。

何しろ、フランス革命がなければ、その後の歴史で、人権やデモクラシーが確立されただろうか。イギリスの清教徒革命などは、結局、チャールズ2世が王政復古に戻し、英国は君主国としていまだ存在している。フランス革命もまたルイ18世が、皇帝ナポレオンのセント・ヘレナ島への追放以降、王政復古に戻したが、フランス人民は、1830年ルイ18世に反旗を翻し、7月革命を起こしている。フランス革命とは、「理念」が決して滅びない歴史の事件である。

インドシナベトナムへと独立したときは、宗主国フランスの「人と市民の権利宣言」が下敷きにされてベトナム社会主義共和国憲法が成立した。

そうである、フランス革命がなければ、「デモクラシー」の存立すら危ぶまれたのである。

であれば、ロベスピエールが国王ルイ16世の首を斬首しようが、歴史は許す。