読書記録117 (2020年50冊) ヒトはなぜ神を信じるのか 信仰する本能 ジェシー・ベリング 著 化学同人 2020年09月15日読了
シスターから、信仰する以前に、この本を読んだ方がいいと勧められて読んだ。
人間は「心の理論」があるがゆえ、「神」を脳内で作ってしまうのだ。
進化生物学的にみると、人類は、原始社会は、小さな集団で、住む場所も狭く、そのような集団では、集団社会を乱すものには罰が下される。その罰が下されるのではないかという脳内で生まれた概念が「神」である。そう考えると、信仰は本能と言えるかもしれない。
ちなみに、神が罰を下すとなると、神がいない仏教の輪廻転生で死後、昆虫になったりするのは、誰が罰を下しているのか、という面白い問いを文中に書いている。
ほかに、オラウターンは、逃げるメス・オラウターンをレイプするのだ。そして、悲しいことに、生物学者の一団の中の女性が、油断したすきにオラウターンからレイプされてしまったのだ。
エピソードを織り交ぜながら、「神」に迫るサイエンス・ノンフィクションである。
読書記録116(2020年49冊) なぜ人は宗教にハマるのか 島田裕巳 著 河出書房新社 2020年9月10日読了
私が覚えている最初の宗教体験は、親族が集まり、葬式や法事で、僧侶が木魚を叩きながら、読経しているときの正座している、その足の痺れである。そして、その後、親族一同の食事になり、大人の男たちは、酒が入り、宴会になる。そうなると、子供の私は、従兄弟や兄弟とともに、別室へつれていかれ、寝るしかないのであった。それが、私の覚えている、最初の宗教体験だから、宗教にハマりようがない。
本書は、宗教を通じて、組織の熱狂の危険性を指摘している。
本書を読み、初めて知ったのは、ミッションスクールのしつけは厳しく、なんと、僧侶の娘がしつけが厳しいというだけの理由で入学させられてしまうこともあるということを知った。
宗教について基礎的な、というか、意外な知識を得られる本である。
読書記録115 (2020年48冊目) 社会科学の方法 大塚久雄 著 岩波新書 2020/09/08
講演集をまとめたものなので、比較的、読みやすかった。
最初は、マルクスとウェーバーにどのような接点があるのか、と訝しながら読んでいたが、マルクスは人間を捨象して物と物の関係からはじまり、人間に立ち戻る、ということであり、ウェーバーは、マルクスが規定した上部構造の文化・宗教などを探りながら、やはり、人間を探るということで、つまりは、人間を中心においていることで接点があるということを私はそうとらえた。
儒教が官僚の倫理思想で、中国の民衆は道教のようなおまじないのようなもの、または仏教を信仰していたということも、本書がウェーバーの「儒教とピューリタニズム」を読んで、得た知識でもある。
社会科学の入門書にうってつけの本である。
読書記録114 (2020年47冊目) YOU CAT 監修高見三明 カトリック中央協議会 発行
妻がカトリックなので、結婚式を妻のためにしてあげたいと、私は考え、カトリックへ入信し、妻からYOUCATという本を読むように勧められ、読みます。
信教の自由を解説しているのだが、信教の自由を認めることは、必ずしも、すべての宗教が同等であるとか真実ではない、と述べている。ということは、結局、キリスト教、それもカトリックだけが唯一の真実だといいたいようだ。
途中で、ニューエイジやオカルトに没頭していることは、間違いと書いてあり、それは、良いのだが、占いやこっくりさんに没頭することは間違いとも書いてあるが、コックリさんは、西洋やキリストが生まれたイスラエルにはないだろうに。意訳しすぎではないか。
正直言って、私は、宗教に関心がないし、カトリックのバチカンは少年愛の総本山としか見ていないので、読むのが退屈でした。しかし、使命感で読み終えました。
ちなみに、監修した高見三明氏は、先ごろ、セクハラとパワハラで話題になった長崎教区の大司教です。彼は神父が投資に使い込んだ詐欺的資金につぎ込み、消失させた神父を批判した女性室長をパワハラをした。つまり一信徒が反旗を翻した、と話をすり替えたとんでもない人間です。
そういう人間が、事件を起こす前に監修した本です。それだけです。
読書記録113(2020年46冊)幸せのおとずれ 福音への招き ジェームス・ハヤット神父 著 心のともしび運動本部
妻が、カトリックで、結婚式をあげたいために、私は、カトリックへ入信を決意した。そのことを知ったシスターから、「幸せのおとずれ」という本が送られてきた。頂き物だから、読まないといけない。
本書を読んだ素直な感想はキリスト不思議はなしと感じる。
ただ、キリストは、自分を神と名乗ったり、奇跡を起こし、実際、いかなる人物なのか、謎である。処女懐胎からして信じがたいものがある。カトリックのロザリオの祈りは、キリストを生んだマリアへの祈りが延々と続く。カトリックは、イエス・キリストを信仰もしているが、それ以上にマリアを信仰しているように私には感じる。
ちなみに処女懐胎から私が思い出すのは「ゴダールのマリア」である。
読書記録112(2020年45冊目) 選択 2020年5月号 選択出版 2020/08/23
バックナンバーだと一冊ずつ買える。
実は、私は、引越しで、紛失してしまい、と電話で、涙ながらに訴えたらサービスで一冊送ってくれた。素晴らしい出版社だ。
小泉純一郎も読んでいるような雑誌である。
政界・官界・財界・国際情勢のディープな、新聞やネット、テレビでは知られない情報を読める。
私も早く、年間購読できるくらいの財力を持てるようになりたいものだ。
読書記録111冊目(2020年44冊目) プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 マックス・ウェーバー 著 岩波文庫 2020/08/21
聖書を読みきってから、私は読もうと考えていたが、聖書をいつになったら読み終えられるのか、見当がつかないので、読み始めた。
著者マックス・ウェーバーの比較宗教社会学である。キリスト教プロテンスタンティズムの教義がわからないと理解できない部分がある。神学的知識が背景にある。
読んでいて、理解が困難だと私は感じた。