読書記録115 (2020年48冊目) 社会科学の方法 大塚久雄 著 岩波新書 2020/09/08
講演集をまとめたものなので、比較的、読みやすかった。
最初は、マルクスとウェーバーにどのような接点があるのか、と訝しながら読んでいたが、マルクスは人間を捨象して物と物の関係からはじまり、人間に立ち戻る、ということであり、ウェーバーは、マルクスが規定した上部構造の文化・宗教などを探りながら、やはり、人間を探るということで、つまりは、人間を中心においていることで接点があるということを私はそうとらえた。
儒教が官僚の倫理思想で、中国の民衆は道教のようなおまじないのようなもの、または仏教を信仰していたということも、本書がウェーバーの「儒教とピューリタニズム」を読んで、得た知識でもある。
社会科学の入門書にうってつけの本である。