読書のブログ 記録代わりに

読書した本を記録代わりに感想などを含めて書いていくブログです。

読書記録番外編(91)(2020年24冊目) 原始仏典 中村元 著 ちくま学芸文庫 逮捕2020/05/04~釈放2020/05/11

なぜ、番外編かというと、私は、妻への傷害を負わせた被疑により、留置所へ勾留されていたからである。身柄拘束5月4日夕方〜5月6日勾留決定5月6日勾留5月6日〜5月11日。判決不起訴。今回はその事情もあり、本そのものの画像は写すことができないのでありません。ちなみに今回は釈放されてから記憶で書いている。

 

本書は、大乗仏教が成立するはるか以前の釈尊が説いた教えについてを読者へ教えるという本である。同時に、古代インドの物語についての紹介説明もある。古代インドの荒唐無稽な物語を知り、インド映画の荒唐無稽さが納得できた。本書を読み、初めて知ったが、出家するには、出家しても家族が困らないようにするという定めが古代インドにはあり、ゆえに、釈尊は王家だから、出家できたのだ。

釈尊が教えを説きまわった時代は、カースト制を侵食するような貨幣経済の浸透、諸国の乱立が背景としてあった。釈尊は、ジャイナ教を模倣しつつ脱構築したのである。

日本に輸入された仏教は、大乗仏教であり、1900年代に至るまで、日本では原始仏教は伝えられていないのだ。原始仏教そのものに光を当てたのはインドを植民地にしていた宗主国大英帝国の学者である。日本へは、その大英帝国の学者が光を当てたその原始仏教が伝えられたのである。

 

原始仏典 (ちくま学芸文庫)

原始仏典 (ちくま学芸文庫)

  • 作者:中村 元
  • 発売日: 2011/03/09
  • メディア: 文庫
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

読書記録90(2020年23冊目) アベノミクスによろしく 明石順平 著 集英社インターナショナル新書 2020/04/26

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アベノミクスを客観的事実で検証し、実は全く、経済政策として大失敗だったことを証明してしまった本である。さらに、アベノミクスはGDPかさ上げまでしている。

安倍政権は、アベノミクスのころから、嘘に嘘を重ねてきた政権であることもわかる。

 

アベノミクスによろしく (インターナショナル新書)
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

読書記録89(2020年22冊目) ペスト アルベール・カミュ 著 新潮文庫 2020/04/26

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ペストに襲われたフランスの植民地・アルジェリアの一都市であるオランでの医師の奮闘を描く。

ペストは、ネズミの大量死亡から始まった。

そして、人間へ伝染する。

再読して、人間のあり方を見つめたくなる本である。

 

ペスト (新潮文庫)

ペスト (新潮文庫)

  • 作者:カミュ
  • 発売日: 1969/10/30
  • メディア: ペーパーバック
 

 

 

 

読書記録88(2020年21冊目) 督促OL修行日記 榎本まみ 著 文春文庫 2020/04/26

 

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本書で初めて知ったのだが、コールセンターは高温多湿であり、ずっとしゃべり続けるからウイルスの培養土なのである。初日早々にインフルエンザにかかってしまい倒れた若者のエピソードも書かれてある。

著者は、人間観察が巧みな人であることは間違いないし、仕事をやりやすくする実務に長けているのである。

著者曰く、顧客からのクレームで感情が揺さぶられるのは、自己尊厳力があるからだ、ということだ。プライドが、クレームで傷つけられてしまうのだ。だったら、割り切って働けば、感情は揺さぶられることはなくなるのだ。

ここに、ヒントがある。カスタマー・ハラスメント防止と言われるが、それは、単にカスタマー・サービスに従事する労働者の賃金を上昇させることで、感情のゆさぶりは解消されるのだ。クレーム対応に見合った高額な賃金を支払うことが精神疾患を減らすことであり、カスタマー・ハラスメント防止という出来そうもないことを夢見るUAゼンセンは無能としか言いようがない。

 

 

督促OL 修行日記 (文春文庫)

督促OL 修行日記 (文春文庫)

  • 作者:榎本 まみ
  • 発売日: 2015/03/10
  • メディア: 文庫
 

 

 

 

読書記録87(2020年20冊目) 人は皆「自分だけは死なない」と思っている 山村武彦 著 宝島社 2020/04/18

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日本国内における防災で言われてきた安全対策が実は多くは間違いであることが検証され、確実な安全対策を述べていきます。

全国民、必読書です。

本書で書かれた記事で印象的な文章があります。アメリカでは地震が起きた場合、住民の皆さんはガスを消してください、火をつけていればただちに消してください、と端的にアナウンスするのだが、日本では、住民の皆さん、落ち着いてください、というようなことを長々とアナウンスして、結局、住民の誰も話は聞いていない、ということです。

日本は災害大国なのに、全く防災オンチであることが本書で明らかにされます。

危機感を抱いている日本人は読んだほうがいい。

 

 

 

 

 

 

読書記録86 リヴァイアサン4(2020年19冊目) トマス・ホッブズ 著 岩波文庫 2020/04/12

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ホッブズは、アダムが、食べた後、神の脅しどおりに死なずに900年もいきたことがわからない、と鋭い疑問を述べている。

正直言って、第三巻と第四巻は、聖書や教会権力に対する批判なのであるが、神学がわからない私には一体、何を書いているのかがわからない。
第一巻は人間の特性、第二巻は主権を所有する国家権力の樹立方法が政体別に分析される。第一巻、第二巻は、理解ができる。
だが、第三巻、第四巻は、聖書を読んでいないと、何のことかわからない。私は、聖書を現在、読み続けているが、ようやく、2年くらいかかり、旧約聖書続編の途中まで読み進めることがてきた。そんな私は、第三巻、第四巻がわからない。ちなみに、モーゼは、本書ではモーシェと表記されている。モーシェが発音に近いのだろう。
とても、難解な本を読んで自分としては、学んだつもりである。

 

 

リヴァイアサン 4 (岩波文庫 白 4-4)

リヴァイアサン 4 (岩波文庫 白 4-4)

  • 作者:ホッブズ
  • 発売日: 1985/06/17
  • メディア: 文庫
 

 

 

 

 

読書記録 2020年3月

3月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1915
ナイス数:14

リヴァイアサン〈2〉 (岩波文庫)リヴァイアサン〈2〉 (岩波文庫)感想
第2巻目は国家政体の構想や分析に踏み込む。それは第1巻の人間の諸特性を踏まえての洞察である。 ホッブズは臣民という単語を使用しているので、「王権派」のように見えるが、イギリス国教会からは「革命派」とみられ、国教会を破門されている。 コモン・ウェルスの主権確立のためであれば、ホッブズにとって王権政治であろうが人民政治であろうがどちらでも構わないのではないか。コモン・ウェルスとの信約(社会契約)こそが全てなのであるから。
読了日:03月29日 著者:T. ホッブズ
リヴァイアサン〈1〉 (岩波文庫)リヴァイアサン〈1〉 (岩波文庫)感想
読み始めたばかりだが、ホッブズは国家を人間に似せた人工人間として構想している。 重要なことは、国家が人工として意識されていることだ。 この考えは、日本の伝統がなんとやら、と言いたがるロマン主義者には、屈辱的な思想であろう。 第一巻、読了。 コモン・ウェルスのための主権の絶対的な確立のためには、人間の様々な特徴を論じることが、とても極めて重要なようだ。 ホッブズによって人間の虚飾が剥ぎとられる。
読了日:03月29日 著者:T. ホッブズ
西洋哲学史―近代から現代へ (岩波新書)西洋哲学史―近代から現代へ (岩波新書)感想
デカルトから現代哲学までたどる哲学の歴史書である。 本書で知ったが、カントはフランス革命を静かに共感し、ヘーゲルは熱狂的に支持したのである、ということである。 だからといってカントは保守的な哲学人ではない、むしろ、最もラディカルな哲学者である。カントは「神」そのものを疑ったのだから。
読了日:03月14日 著者:熊野 純彦
フランス革命―歴史における劇薬 (岩波ジュニア新書)フランス革命―歴史における劇薬 (岩波ジュニア新書)感想
本書を読むとわかるが、重税に喘ぐ農民や民衆が王政を倒すこと、ルイ16世をギロチンで殺すことは、正義以外何者でもない。 であれば、我々、日本国民が、税金を大嘗祭という私的流用したナルヒトを殺害しようが、それもまた正義以外何者でもない。 フランスでは1793年、国王ルイ16世の処刑に始まる恐怖政治について1989年に世論は分裂されたのであるが、恐怖政治はブルジョワの暴走を止めるには歴史的必然であることが本書でわかる。
読了日:03月14日 著者:遅塚 忠躬
西洋哲学史―古代から中世へ (岩波新書)西洋哲学史―古代から中世へ (岩波新書)感想
西洋哲学の歴史を古代ギリシャからたどる哲学入門書のごとき書物です。 本書は、中世までです。 暗黒の中世と言われたその時代の哲学が、デカルトの哲学を形つくる思考を巡っていたことを説き明かしたことに私は啓蒙されました。 哲学の強大さ、を知るとても重要な書物です。 哲学を学び、思考する人々に対し、我々、日本人は、圧倒的に弱いです。その弱さを我々、日本人は学ばなければならない。
読了日:03月14日 著者:熊野 純彦
インターネットが壊した「こころ」と「言葉」 (幻冬舎ルネッサンス新書)インターネットが壊した「こころ」と「言葉」 (幻冬舎ルネッサンス新書)感想
パソコンにより短時間で作業が進んだ反面、その短時間で済む作業量が増えてしまい、精神疾患に罹患する人が増加していることを指摘している。それは、鋭い指摘ではないだろうか。 著者は、インターネットやSNSの危険性、Apple専制独裁制を批判し、オープンソースなどは、保守的な思想でしかないと批判する。 そのインターネット批判の次に増大する精神疾患について論じるが、その問題意識には、勤勉ではない人までが、過労で精神疾患となる社会についての分析を加えている。
読了日:03月01日 著者:森田 幸孝

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