読書記録88(2020年21冊目) 督促OL修行日記 榎本まみ 著 文春文庫 2020/04/26
本書で初めて知ったのだが、コールセンターは高温多湿であり、ずっとしゃべり続けるからウイルスの培養土なのである。初日早々にインフルエンザにかかってしまい倒れた若者のエピソードも書かれてある。
著者は、人間観察が巧みな人であることは間違いないし、仕事をやりやすくする実務に長けているのである。
著者曰く、顧客からのクレームで感情が揺さぶられるのは、自己尊厳力があるからだ、ということだ。プライドが、クレームで傷つけられてしまうのだ。だったら、割り切って働けば、感情は揺さぶられることはなくなるのだ。
ここに、ヒントがある。カスタマー・ハラスメント防止と言われるが、それは、単にカスタマー・サービスに従事する労働者の賃金を上昇させることで、感情のゆさぶりは解消されるのだ。クレーム対応に見合った高額な賃金を支払うことが精神疾患を減らすことであり、カスタマー・ハラスメント防止という出来そうもないことを夢見るUAゼンセンは無能としか言いようがない。