読書のブログ 記録代わりに

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読書記録60 自滅する選択 池田新介 著 東洋経済新報社 2019/10/09

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行動経済学で、今日もらう1万円より来年もらえる2万円を選ぶ人の方が「賢明」だ、と定義しようが、支払いは待ってくれないから今日もらえる1万円を人々は選択せざるを得ないのではないのか。
行動経済学は、ホモエコノミクスという古典派経済学の主体を現代風に説いているに過ぎないように見える。
そう見ると、やはり、マルクス資本論の偉大さがひときわ目立つ。マルクス資本論は、資本主義社会における人々の主体、自由というものを括弧にくくるか、認めていないと言っても良いような分析をしていて、簡単に言えば、人はそれをせざるを得ないからそれをしてしまう、という自然法則のように「経済人」を見ている。

行動経済学はこの本を読む限りにおいては、一種の道徳論にしか思えない。

 

自滅する選択―先延ばしで後悔しないための新しい経済学

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