読書記録44 ここまで来た!うつ病治療 NHK取材班 宝島社 2019/07/26
TMS治療の利点を伝える箇所は、確かにうつ病患者に朗報を与える記述だが、いかんせん、保険適用が、既存の抗うつ剤の治療で効果が認められなかった成人に限られるのである。保険適用ができる医療機関は、精神科を標榜している医者や常勤の専門医がいることなどの施設基準のほか、日本精神神経学会や帝人ファーマ社が主催する講習を受講することなどの条件が必要である。但し、本書では、保険適用の記述はない。保険適用でなく自由診療だと、1回が12000円、それを数回行う。相当な金額が必要である。もっとも、保険でも3割負担なので1回3600円である。
ただ、こういう見方もある。投薬治療でダラダラ受診していたら、2~3年でTMS治療数回分くらいの出費になってしまう。であるので、見方を変えれば、TMS治療でうつを改善したほうが良いともいえる。
ちなみに、偏桃体をへんとう体と記述するのは、読者を馬鹿にしているとしか見えない。