読書記録94(2020年27冊目) 近代日本思想案内 鹿野政直 著 岩波文庫 2020/05/21
2002
本書は、常に指摘される日本国憲法の訳語である「国民」が、英文の日本国憲法のpeopleやpersonには、外国人も含まれるのに、外国人を排除してしまっていることも指摘している。
日本共産党やSEALDsは「国民」という日本語を臆面もなく使っているが、それは、people.personに対し、配慮がないということでもある。
北一輝が、幸徳秋水よりも激しく国体を批判していたことも知った。
また、西洋哲学のほとんどの日本語訳語を完成させた哲学者である西周は、日本人は神武天皇以来、奴隷根性が染みついていると指摘していたことも本書で初めて知った事実である。
近代日本思想のルーツから現在にまでの歴史が総覧できる。とはいえ、1999年5月17日であるので昨今の思想家としてみなされる言論人については含まれていない。